私は、子どもが生まれても
正社員として働き続けるつもりでした。
でも、
長女が生まれてから芽生えた
「この子と離れたくない」という気持ち。
その思いがどうしても心から消えず、
私は働き方を大きく変える決断をしました。
「子どもが小さいうちは、仕事を辞めてそばにいたい…」
「職場復帰の日が近づいているけど、私は本当にこれで良いのかな…」
「退職したけど、友達はみんな働いてる。私の決断は間違ってないかな…」
と過去の私のように悩んでいるお母さん、いらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、正社員を辞めるまでの葛藤と
退職後の生活で感じたことを綴っています。
同じように迷っている方の、ヒントになればうれしいです。
ワーキングマザーで頑張っているお母さんにもリスペクトを込めて。

読んだ後、今より一歩前に進めるような記事を意識して
書きました。
はじめに:子どもと離れたくない気持ちと向き合って
結婚しても、子どもが生まれても、私はずっと働き続けるつもりでした。
いわゆる「共働き」で育てることが、当たり前だと思っていたからです。
でも、いざ我が子を目の前にしたとき、
心が予想もしなかった方向へ揺れたのです。
「こんなに小さいこの子を、まだ知らない場所に預けて、自分は仕事へ行くの?」
「たった1年で、もう手放していいの?」
はじめて母になって、
はじめて知った気持ち。
「子どもと離れたくない」──その思いは、
私の中でどんどん大きくなっていきました。
この気持ちは、甘え?
それとも弱さ?
当時の私は、自分の中のいろんな声と向き合いながら、
悩み、迷い、そしてある決断をしました。
共働きを前提にしていた私が、母になって変わった思い

子どもが生まれる前のキャリア観
筆者マヨは新卒採用で入社した会社で2年経った頃、長女ウリを妊娠しました。
職場は人間関係も良好で働きやすく、仕事内容も好きでした。

このご時世、共働きじゃなきゃやっていけないよね

生活水準下げるのも嫌だし、退職する気は全くないよ!
大変そうだけど、仕事と育児の両立がんばるぞ!
当時はこんなことを考えていました。
夫婦二人とも、平均的な収入のサラリーマンです。
マヨは、定年まで働く自分しか想像していなかったので
辞める可能性なんて一切考えず、産休に入りました。
長女ウリの誕生と心境の変化
産まれてきた赤ちゃんはとても可愛く
あまりにも無力で
とてもじゃないけれど誰かに預けられる気がしませんでした。

マヨの生物としての本能が「子供を手放してはいけない!」と叫んでいたよ
それでも職場復帰の日は近づきます。
「仕方がない」と自分に言い聞かせ
「保育園に入ると子供にもこんなメリットが♪」という情報を探す日々でした。
「仕方がない」から職場へ復帰しなければいけない、なんてことないのに。
この時はまだ「共働きが増えているという、世間の常識」や
「育休を取得したのに辞めたら職場の人に迷惑がかかる、どう思われるかな」
ということばかり考えて
- 本当は自分はどうしたいのか
- 自分にとっての幸せはなんなのか
- キャリアと子どもとの時間、手に入らなかった時に、あとで後悔するのはどちらか
という一番大切な問いかけを自分にしていませんでした。

勇気もなかったんだよね。考えないようにしていた気がするな。
「長時間預けても子どもは大丈夫。」というコトバを探していました。
保育園入園で見えた現実と、退職を決意するまで

慣らし保育での出来事
保育園の入園式が終わり、1日目の慣らし保育が始まりました。
2時間半ほど預けた気がします。

預ける時は大泣きで、胸が締め付けられました。
お母さんはみんな経験することですね。
少し早めにお迎えに行き様子を見ていると、泣きはらした顔で
私が朝出て行ったドアをずっと見ているウリがいました。
顔は泣きすぎてうっ血したのか、赤いあざのようになり
声は枯れて別の子の声のようでした。
(保育園の先生方は、とても良くして下さっていて感謝しています。また、ウリ以外の子は2時間半の間に気持ちも切り替えられて、楽しそうに遊んでいました。)

ウリは私がそばにいないだけでこれほど不安になり苦しんでいる。
そんなウリを、毎日10時間保育園に預けて良いの?
数年後、自分は後悔しない?
この子のそばでゆっくり過ごす時間と、私が働くことで得られる収入、どちらが大事?
夫との対話と決断
とても苦しく、その日の夜、夫クマに相談しました。
私たち夫婦はどうしたいのか、本音で話し合い
全ての話が終わってから少し考えて、夫クマは言いました。

マヨ、仕事辞めて専業主婦になる?
健康な20代が、病気でもないのに専業主婦になることは贅沢のような気がしてしまい
また、暮らしが大きく変わる決断になると思うと勇気が出ず、私は答えられませんでした。

言い方を変えるね。
ずっと考えてたけど、言い出せなかった。
僕はマヨに仕事を辞めてほしい。
夫クマは、すぐにこう言い直してくれました。
「退職しても良いよ」という曖昧な言い方であったら、
困難から逃げているような気がしてしまって、まじめな私は辞めることができなかったと思います。
退職を決める前に、一馬力でも生活していけるかどうかを確認するのはとても大切なことです
マヨ家は、家計簿をつけていたのでおおまかな生活費は把握していました。
①贅沢は控えること②年間貯蓄額が少なくなることは夫婦で覚悟して退職を決めました。
退職の伝え方と職場の反応

上司への連絡方法
退職を決めたからには、すぐに職場へ連絡しないと迷惑がかかります。
以下の3つのことをやりました。
- 1秒でも早く、直属の上司へメールで退職の意を伝える。「本来なら、会ってご相談すべき内容なのに、メールにて失礼します。後日、改めて直接ご説明させて下さい」という内容を添えて。
- アポをとって後日、直国の上司と、チームの皆さんへ挨拶に行く。人事部と退職の手続きを済ます。(お世話になった方には、菓子折りを持参。)
- お世話になっていたのに直接会えなかった人には、LINEや電話でご挨拶をする。
特に気を付けたことが2点あります。
- 私の席を空けて、復帰を待っていてくれたチームの方へ謝罪をする。復帰すること前提だったので、代替の人を入れずに今いる人達で仕事を回してくれていました。
- 復帰すること前提で育休を取得していたのに、退職することになってしまった。これは、これから育休、産休を取得する人のイメージダウンになりかねません。狙ってしたことではなくても、きちんと女子社員に謝罪する必要があると思い、女子更衣室に、手紙を添えた菓子折りを置きました。
職場の理解とサポート
復帰前提の育休だったにも関わらず

育児と仕事の両立は大変だよ。僕の奥さんも、子どもが生まれて退職したよ。
急に退職することになってしまったけれど、
何事も経験してみないとわからないものだから気にしないで。
チームの皆さんも「寂しくなるよ」と優しい言葉をかけてくれました。

ありがたい気持ちと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
職場への挨拶はとても勇気がいりましたが、否定的な言葉をかける方はおらず
みなさんあたたかく、理解を示してくれました。
「退職=贅沢」という思い込みが、退職の決断を遅らせた

本当は、ウリが産まれて数か月で自分の気持ちには気づいていました。

自分の命よりも大切なこの子を、自分がそばでずっとお世話したい。
朝から晩まで保育園に預けて、この子に大きな負担をかけ続けたくない
ですが、すぐに退職を決断できませんでした。
その原因は、マヨの考え方にありました。
- 子育てと仕事の両立を頑張っているお母さんが増えている時代に、子育てを理由に退職することは贅沢のように感じていた
- 子どもが生まれる前は「共働きが今のスタンダード」と夫クマが考えていたことを知っていたので、本当の気持ちを言えなかった
- どう思われるかがこわくて、退職するなんて今さら職場に言えないと思っていた
なので考えないようにしていました。
振り返れば、すべて
「自分はどうしたいか」と考えられていないことが原因です。
そして自分はこうしたい、と主張する勇気と覚悟がありませんでした。
もし話し合った日に、夫クマが同じ気持ちでいてくれてなかったら
今も働き続けていたと思います。
そして、子どもが外の世界へ羽ばたき始めたころに
かえがえのない乳幼児期を共に過ごせなかったことを後悔していたと思います。
退職後の生活と感じたこと

退職して辛かったこと
後悔は一度もしていませんが、当時は辛かったこともありました。
- 社会との繋がりが断絶された
- ワーキングマザーになれなかったことが、自分の中で挫折のように感じられた
- 実母、義母から理解が得られなかった
時代の流れか、友人は皆ワーキングマザーで頑張っていました。

一人だけ専業主婦になって、自分の歩みだけが遅くなってしまったような気がしたよ
どうしても友達の方が頑張っているのではないかと考えてしまって、とても辛い時期だったよ
また、会話のできない1歳児とひたすら向き合う毎日は孤独で
仕事復帰の日を一つの目標にしていた自分もいました。

1人きりの育児は精神的につらい時もあるよ
仕事に復帰したら、あの人とランチできるのが楽しみだな…
通勤電車に乗ってぼーっとできることすら、待ち遠しくなる時もあるよ
ウリと離れるのはとても寂しいけどね
こんな風に考えるだけで
長いトンネルの終わりが見えるようで気持ちが楽になっていました。
「職場復帰する=強制的に子どもと離れる時間ができる」日が必ず来ると思っていました。
いざ退職すると、この孤独の終わりが急に見えなくなりおしつぶされそうでした。

豆腐メンタルになっていたよ
自分が思い描いていた自分の将来像が消えてしまったから、とても心が不安定だったよ
そんな時、身近な存在の実母と義母からの理解が得られなく、傷が広がったよ

はあ?辞めたの?

育児を理由に正社員を手放すなんて、浅はか。もったいない。
仕事と子育ての両立を、頑張りもせずに諦めたのね
正社員を手放すことは、私自身が一番こわかったし
とても勇気がいりました。
「もしかしたらいつか後悔するかもしれない…」
悩んで悩んで出した決断を
身近な人から否定され、浅はかとなじられるのはとても辛く、悔しいことでした。
退職して良かったこと
あれから6年、退職したことを後悔したことはなく
あの時、勇気を出して本当に良かったねと夫婦でもたまに話しています。
- 子どもとたくさんの時間を一緒に過ごせた
- 「ママと一緒にいたいという子の気持ち」を尊重してあげられた。子の望むものの多くは叶えてあげられた
- 母親であるマヨに余力があるため、家庭がきちんと家庭として回っている
子どもの生活リズムが守れるのも
休日が家事で終わらずに、家族で楽しい時間を過ごす予定が入れられるのも
退職して時間的な余裕があるからです。

おうちがいちばんすき

家族っていいなあ…♡
こんなふうに、むすめ達は言ってくれるので
家族の時間が彼女たちにとっての安らぎの時間になれてるのかな…と嬉しくなります。
働いていたら見逃していたかもしれない日々を
いくらお金を積んでも2度と戻れない日々を
私たち夫婦はどっぷり満喫しています。
おわりに:自分の選択に胸を張って

退職はとても勇気がいる決断でしたが
6年経った今も、英断だったと思っています。
退職して、子どもとのかけがえのない時間を満喫しています。
今になったからこそわかったのは
会社で働いていようが、働いていなかろうが、私は私であるということ。
働いているから頑張っているとか、そんなことない。
仕事を辞めて育児を頑張っている自分が好き、と今は胸を張って言えます。
そして、自分の気持ちをもっと大切にしていいんだということ。
人にどう思われるかを気にして
自分の一番大切なものを譲ったり、我慢するのでは幸せになれません。
そして、ワーキングマザーと専業主婦に優劣をつけることはできないということ。
今も心からワーキングマザーで頑張る女性を尊敬しています。眩しいです!
ワーキングマザーと専業主婦はトレードオフの関係で、
私は専業主婦になり、子どもと過ごす時間は手にしましたが
同時に、手放したものもあります。
その、私が手にできなかったものを、ワーキングマザーの女性は持っています。

「違うフィールドでそれぞれ頑張っているのだから、比べること自体ナンセンスだよ」と、
自信をなくしていたあの日の自分に言ってあげたいな
リンゴとバナナを比べてもしょうがないでしょ?
どちらも立派なお母さんだよ
私と同じように退職を迷っているお母さん、
退職後につらい思いをしているお母さんがいたら
その人に私からのエールが届きますように。
お母さんが、笑顔で子育てができますように。
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